2003年のフォスター等による研究では、食物特異的IgG・IgEの抗体反応をELISA法によって調べ、疾病のある犬を健常犬と比較し、その関係性およびパターンまたはクラスタリングを特定しました。(Foster, et al. (2003))アトピー性皮膚炎の犬(AD)、胃腸病の犬(GI)、健常犬の3つのグループに分けて研究が行われ、疾病のある2つのグループでは、皮膚や胃腸に疾病歴のない正常グループと比較し、食物特異的IgG・IgE標準濃度が統計的に顕著であることがわかりました。更に、疾病のある2つのグループと健常犬との比較において、ADグループの犬は食物特異的IgE濃度が高く、GIグループの犬はIgGが高いことも判明しました。そして興味深いことに、ADグループの犬は、他の2つのグループに比べ、小麦抗原に対するIgG抗体値が顕著に高かったのです。
検査対象となった複数の抗原への食物特異的抗体反応において、クラスタリングも明らかになりました。(IgG-牛肉/豚肉、IgG-鶏肉/七面鳥/卵、IgG-大麦/小麦を、IgE-とうもろこし/小麦、IgE-牛肉/牛乳、IgE-鶏肉/羊肉等と比較) 研究グループは、IgGおよびIgEのデータセット、特にIgGのデータの多項回帰分析により、予測モデルを作ることに成功しました。それにより、個々の犬は、その食物特異的抗体応答に基づき、3つの調査対象集団のいずれか1つに分類することが出来るようになりました。このモデルにより、犬たちはそれぞれの食物特異的抗体反応によって識別することが可能になりました。

Foster, A.P., Knowles, T.G., Hotston Moore, A., Cousins, P.D.G., Day, M.J., Hall, E.J. (2003). Serum IgE and IgG responses to food antigens in normal and atopic dogs, and dogs with gastrointestinal disease. Vet Immunol and Immonopath, 92, 113-124. Services
2005年のハリウェル等による研究では、ELISA法を用い、3つのグループに分けられた犬から採取された血液サンプルに含まれる食物抗原へのIgEおよびIgG抗体を確認しました。健康な犬、アトピー性皮膚炎を持つ犬(AD)、食物拒絶反応が認められる犬の3つのグループには、8週間の抗原制限食が与えられました。とりわけ、食物拒絶反応が認められるグループは、多種類の食品への過敏性やアレルゲン特異的IgEおよびIgG抗体検査に陽性反応を示しました。興味深いことに、食物アレルゲン特異的IgG抗体レベルは、食物アレルゲン特異的IgEよりもより識別的であり、食物拒絶反応を予測する判断材料としてより優れているという結果が出ました。この発見は、食物特異的IgG抗体分析が、食物拒絶反応を持つ動物が除去食を試みる際に、適切なアレルゲンを発見するのに寄与出来る可能性を示しています。

Halliwell, R.E.W., Gordon, C.M., Hovarth, C., Wagner, R. (2005). IgE and IgG antibodies to food antigens in sera from normal dogs, dogs with atopic dermatitis and dogs with adverse food reactions. Adv Vet Dermatol, 5(c1.4), 28-35.